世界の七不思議のことはだれでも知っているが、その全てをわが目で見た者はほとんどいない。なにしろ、はるばる国境を越えてペルシアを訪ね、ユーフラテス川を渡り、エジプトへ旅し、ギリシアのエリスにしばらく滞在し、カリアのハリカルナッソスに向かい、船でロードス島に渡り、さらに、イオニアのエペソスに行かねばならないのだから・・・ビサンティンのフィロン(紀元前225年頃) |
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今も昔も、世界の不思議を訪ねることは人々の夢です。ヨーロッパでは、古くから旅人たちが、自分が見た不思議な(驚異的な)建造物を世界七不思議として紹介してきました。ほとんどの人々は、それらを訪れることはかなわず、想像するだけでした。現代では、幸運なことに、時間と少々のお金があれば、人々が夢見た世界の不思議をこの目に納めることができます。このサイトでは、いろいろな世界七不思議と、不思議を訪ねるツアーの情報を掲載しています。世界七不思議には世界遺産も数多く含まれています。時間と費用さえ許せば、一度は行って見たい不思議の数々です。 |
世界七不思議 |
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「世界の不思議」と聞いて、まず思い浮かぶのが、世界七不思議だと思います。しかし、言葉は聞いていても、七ヵ所を答えられる人は、ほとんどいないのでは無いでしょうか。実は、世界七不思議と言っても、年代によっていくつかの七不思議があらわされています。一番古く、そして、多分最も有名なものが「古代の世界七不思議」です。七不思議と言えば、これを指していることも少なくありません。他にも中世の世界七不思議や、近年コットレルが選んだ七不思議、さらには、世界遺産の中で危機に瀕しているものや、自然現象の七不思議などがあります。 |
1.古代の世界七不思議 |
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紀元前2〜3世紀頃、古代ギリシャの数学者フィロンが、旅先で見た七つの驚異の建造物を紹介したのが、最初とされています。フィロン以前にも似たような七不思議があったらようですが、文献が残っていないので、フィロンの世界七不思議が最も古い七不思議とされています。 |
1 ギザの大ピラミッド:有名なギザの3大ピラミッド。 |
2 バビロンの空中庭園:巨大な庭園が空中に浮いているように見えたという。 |
3 オリンピアのゼウス像:高さ12mの黄金のゼウス神の像。 |
4 ロードス島の巨人像:エーゲ海・ロードス島の守護神。 |
5 ハリカルナッソスの霊廟:高さ34m、大理石の霊廟。 |
6 エフェソスのアルテミス神殿:パルテノン神殿を上回る規模の大神殿。 |
7 アレクサンドリアの大灯台:ナイル河口、アレクサンドリアの沖に建てられた灯台。 |
2.中世の世界七不思議 |
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第二の世界七不思議と言われているが、年代、選者共に不明です。比較的に新しい建造物が多いので少なくとも14世紀以降に選ばれたものだと言うことは分かります。古代の七不思議が地中海沿岸に限定されていたのに比べて、イギリスから中国までひろがっています。 |
1 ローマのコロッセオ(円形劇場):最大直径188m。五万人を収容。 |
2 ピサの斜塔:アルノ川の岸にある鐘楼。倒壊の危険。 |
3 中国の万里の長城:世界最大の建造物。全長およそ6000km。 |
4 イスタンブールのアヤ・ソフィア大聖堂:ギリシャ正教の総本山として建築後、イスラムのモスクに |
5 ソールズベリのストーンヘンジ:イングランドにある巨大な環状列石 |
6 アレクサンドリアのカタコンベ:エジプト・アレクサンドリアにある地下墓地。 |
7 南京の陶塔:南京の報国寺にあった高さ80mの陶製の塔。太平天国の乱(1850年)で破壊。 |
3.コットレルの世界七不思議 |
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レオナード・コットレル(イギリスBBCのプロデューサー)が「古代の不思議」(1959)で選んだ世界の七不思議です。ギリシャ・エジプト・イスラエル・シリアとヨーロッパの人にはなじみの深い場所が選ばれています。 |
1 クレタ島のミノス宮殿:紀元前2000年頃ギリシャ・クレタ島に栄えていた宮殿 |
2 テーベのネクロポリス:死者の街。ルクソールにある王族の墳墓や葬祭殿を総称。 |
3 王家の谷:ネクロポリスにある歴代ファラオの墓。ツタンカーメン王の墓は有名。 |
4 シリアのパルミラの都:1〜3世紀にシリア砂漠のオアシス都市として栄えた。 |
5 エルサレムの岩のドーム:イスラム教の開祖、マホメットが昇天した巨石を覆うドーム。 |
6 クラク・デ・シュバァリエ:12世紀に建てられた十字軍の城。 |
7 デルフィのアポロン神殿:かつて世界の中心と考えられていたデルフィの神殿。 |
4.危機にさらされている世界七不思議 |
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2006年4月、Newsweek誌で、最も消滅の危機に瀕している世界の七つの景観として紹介され、保護が強く叫ばれています。 |
1 エジプトのルクソール:アスワンハイダムによる塩害や観光、窃盗による破壊など。 |
2 イラクのバビロン:盗難やイラク戦争の影響などで破壊が進んでいる。 |
3 インドネシアのコーラルトライアングル:世界一豊かな海。乱獲や都市化による環境汚染。 |
4 ペルーのマチュ・ピチュ:標高2400mの遺跡も観光地化の影響が。 |
5 モルディブ:真珠の島、温暖化により水没の危機に。 |
6 イタリアのベネチア:地下水のくみ上げによる地盤沈下。 |
7 中国・万里の長城:乱開発による破壊。 |
5.世界の自然現象七不思議 |
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自然現象の中で、とりわけ不思議なものが七つ集められていますが、選者は不明です。 |
1 死海:塩分が濃いために人が沈むことがない湖。標高−400mにある。 |
2 アルジェリアの砂の海:まさに海のような砂漠です。 |
3 チベットの氷の滝:チベットだけではなく氷河が滝のように崖を落ちている。 |
4 アラガト山上の怪光:不明(調査中) |
5 ノルウェーの白夜:北極圏では、夏至の頃、太陽が夜でも沈まないようになります。 |
6 北アメリカ化石木の山:中生代(2億年以上前)の木々の化石。 |
7 ハワイの火の海:現在も活動しているハワイ島の火山の溶岩。 |
6.新しい世界七不思議 |
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2000年を迎え、新しい世界の七不思議を投票しようというイベントがネット上で行われています。リストアップされている建造物は、万里の長城から自由の女神まで新旧とりまぜて21です。 |
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